元施設長の徒然日記

特養施設長経験者が語る徒然な日記

特養に入りたい!

家族を家で面倒見れなくなってきたから、特養に入れたい。でもどうすればいいんだろう…  

 

私が一番最初に介護職員をはじめた時も、どうすればいいのかよくわかりませんでした。介護技術は教わったけれど、法律的な事は教えてもらえなかったので…

 

特養に入るには、いくつか条件があります。 

  • 要介護3以上
  • 医療行為がない
  • 利用料金を支払える

 

まず最初の「要介護3以上」というものですが、特養は介護保険サービスの一つなので、要介護認定を受けていなければなりません。施設見学に来た高齢だけど見るからに元気そうな方から「俺もここに入りたいな」「私もお世話になっていいかしら」と何度か言われたことがありますが、もちろん「駄目」(笑)

さらに、要介護認定を受けているだけでなく、要介護度が3以上必要です。要介護1や2の方では原則特養には入れません。

要介護度は介護にかかる時間がどれくらいかかるかによって変わってきます。要介護1や2では、特養でなく、自宅で生活してくださいということなんですね。

 

次に「医療行為がない」ということですが、施設はあくまで「生活の場」ということです。

特養は病院と違い、治療する設備はありません。看護師は常にいますが、医者は常にいません。(看護師は日中しかいない施設が多くを占めています。夜間帯も看護師がいる施設は稀です)

そのため、例えば痰の吸引が夜中でも必要な人は難しいし、栄養を静脈から入れないと栄養を摂取できない方なども難しいです。

医療行為がある人をどこまで受け入れるかについては、施設によって基準が違うのでそれぞれ問い合わせしてみてください。市区町村によっては、一覧になっているところもあります。

 

最後に「利用料金を払える」についてですが、意外に重要なんです(苦笑)

特養には入れたけど、利用料金を滞納してしまう人がいます。支払いができなくなると、特養から出てくださいと言われることもあります。

 

特養は昔からある多床室(2人部屋・4人部屋)とユニット型個室の2種類あります。2001年以降はユニット型個室の特養が主流になっています。病院と同じで、4人部屋とかの方が安いんですが、個室のある特養を希望すると、毎月15~16万くらいかかるんです(苦笑)ただ、料金の中には食費、居住費、オムツ代などが含まれているのと、施設によって値段は変わってくるので、料金についてもそれぞれ問い合わせしてみてください。(利用料金が違うのは、施設によって食費・居住費の値段が違うため)

 

特養に入る条件のこと、少しはわかってもらえたでしょうか。より詳しいことを知りたければ、お住いの近くになる特養にお問い合わせしてみてください。

 

 

特養とは

特養(特別養護老人ホーム)とは、老人福祉法と介護保険法に規定される「介護老人福祉施設」です。

簡単にいうと、いわゆる「老人ホーム」のことですね。高齢になって、1人で家で生活ができなくなった方が入る場所です。基本的には一度入ったら亡くなるまで生活する場所です。老人ホームが今まで住んでいた家の代わりになるので。

特養をよく知らない人が言いがちなこととして、「今すぐ入りたいんだけど、どうすればいいですか?」「施設に入るためには、最初にお金をたくさん払わないといけないですよね?」などの声をよく聞きます。その辺りについてはこれから少しづつ説明していきます。

はじめまして

以前特養(特別養護老人ホーム)の施設長を勤めていました。介護業界で働いている人・これから介護業界で働いてみようと思っている方の疑問に少しでも答えられるといいなぁ、なんて考えています。

マイペースでのんびりやっていきますので、どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m